日記
日記内の
青いアンダーライン はサイト外リンク
緑のアンダーライン はサイト内リンク

汚名挽回/

汚名挽回 2009.9.30(水)

今週のジャンプだけど、真ん中辺りにカラーページがあったんよ。
そこにはゲームの記事と一緒に、バーベルとかの通販と髭剃りの広告が載ってたんだけど、
何故ジャンプでこんな広告を載せるんだw

さて、『汚名挽回』という言葉を知っているだろうか?
漫画などで頭の悪いキャラがこの言葉を使い、「汚名は返上するもんだ」等と言い返されるシーンを見た事が無いだろうか?
この『汚名挽回』という言葉は、『汚名返上』と『名誉挽回』の二つの似た意味の四字熟語が
混ざって出来た誤用である、というのが一般的な考えである。

今となっては“誤用である”ということが広まりすぎてネタとしてしか使われないが、
昔の漫画などでは普通に作者が間違って使われていたりもした。
ちなみに、汚名挽回を使った最も有名な人物と言えばZガンダムのジェリドが上げられることが多い。

が、そもそも「挽回」と言う言葉自体には、現在の状態(主に劣勢)を打破するといったニュアンスもある。
スポーツ等で負けている時に「ここから挽回するぞ!」といった使い方が多いと思うし。
これを汚名挽回に当てはめれば、汚名を被った状態からそうで無い状態に挽回する、と捉えられなくも無い。
そう考えると、『汚名挽回』は四文字熟語としては間違っているけれども、文法的には間違っていないとは考えられないだろうか?

ここまで読んで、「なんだ、ただの屁理屈か」と思った人もいるかと思うが、
実は最近の一部の国語辞典などには「汚名挽回は誤用ではない」若しくは「汚名挽回は誤用とは言い切れない」
などと書かれていることもあるらしい
飽くまで“らしい”だからな。自分で確認したわけじゃないぞw
俺が勝手に言ってるんじゃなくて、国語辞典なんかの編集をする所謂“知識人”たる人がそう記しているとなれば、
汚名挽回は日本人に認められ、新しい言葉として認識されていくのかもしれない。

同じような言葉に『的を得る』と言うのがある。
これは普通に誤用と気付かずに素で使ってる人も多い。っていうか友達が普通に使ってたw
恐らくは『的を射る』と『正鵠を得る』若しくは『当を得る』とかがごっちゃになって出来た言葉だと思う。
ちなみに「正鵠」ってのは弓道の的の真ん中の事な。

が、これも最近では『的を得た』は誤用ではないと言われることが多い。
例えば、「的を射た意見」といわれれば、「物事の核心をズバッとついた意見」ってのは問題ないよな?
しかし「射る」ってのは言わば「矢を放つ」って意味な訳で、的に当たるかどうかは別問題になる、と。
そーなると、的を射るは「当たるか当たらないか分からないが、核心はついた」みたいなチグハグな言葉になってしまう。

逆に「得る」は一般的には入手したと言う意味で使われる事が多いが、「当たる」と言う意味もある。
まとめると、
的を射る → 的に向かって矢を放つ
的を得る → 的に矢が当たる
になる。
そー考えると、文法的には「的を得る」の方が正しいような気もしてくる。

まー、日本語に限らず言語なんてもんは時代と共に変化・進化していくもんだし、正しい正しくないに拘るべきじゃないんだろうけどね。
「役不足」や「確信犯」なんか誤用が多く使われたが為に、誤用の方が一般的な用法になったし、
「一所懸命」からいつの間にか「一生懸命」が生まれたり、変化を楽しむのが言語の文化だよね。

まー、でも、ギャル語が正式な日本語になるのはちょっと嫌かなw

過去の日記
2002年 5・6月 7・8月 9・12月
2003年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2004年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2005年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2006年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2007年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2008年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2009年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月

[前の月へ] [TOP] [次の月へ]