石田 鉄男
〜南宇和中主将〜
彼の名は”石田鉄男”。
彼の名をフルネームで覚えている方は相当なマニアだろう。
今回はそんな彼のことについて語りたい。
彼の初登場は、翼が中学三年生の時である。
主人公の翼君が率いる南葛中学は、全国大会三連覇に向けてベスト8まで勝ち上がっていた。
そんな中、ダークホースとして名乗りを上げていたのが石田君率いる南宇和中学である。
と言っても、南宇和中は王者・南葛と対戦するわけではなく、
石田君たちが戦う相手は松山君が率いるふらの中学である。
それでは南宇和中対ふらの中の試合を振り返ってみましょう。
試合開始早々ボールをキープしている松山君に対して石田君が一騎討ちを挑みます。
が、松山君は余裕からかパスして無視します。
無視された事に怒ったのか、石田君は
「おれとの一対一の勝負がそんなにこわいのか」
と小者臭あふれるセリフで挑発します。
しかし松山君には「フッ」と鼻で笑われます。
これで更にキレたのか、石田君はパスをした松山君に対し
「(パスをするということは)自分のキープ力に自信が無いからともいえるんだぜ!!」
と怒鳴り始めます。
何なんでしょうか?この男は。
そんなに相手にされなかった事が悔しかったのでしょうか?
その後ボールをゲットした石田君は果敢にドリブルで攻め込みます。
ふらの中のディフェンス陣が何人来ようともドリブル突破を続ける石井君。
なるほど、自分のキープ力に自信があったらこういう攻めをするのか。
と思っていたら、松山君がボールを奪いに来たらあっさりパスする石田君。
おいおい、お前も自分のキープ力に自信が無ぇじゃねーかwwwww
しかもそのパスは松山君を恐れるあまり出したパスなので、誰も居ないあさっての方向へ。
たまたま、チームメイトの武井君が走りこんでヘディングシュートを決めてくれたからいいものの、
武井君が反応してくれなかったら、ただの無意味なパスになるところでした。
先制されたふらの中はパスをまわし何とか松山君にボールを集めようとします。
しかし南宇和中のメンバーはそれを尽くパスカットして松山君にボールが渡らない様にします。
彼らは分かっていたのです。
松山君にボールが渡ってしまえば、石田君では止める事が出来ないと。
しかしそれだけ必死でパスカットしても結局ボールは松山君に渡ってしまいます。
所詮は石田君が主将の南宇和中、全員ザコです。
松山君がボールを持ったならモチロン彼が来ます。そう、石田君です。
そして石田君はこう考えます。
1.ふらののパスは完全に読んでいる。(松山君にパスが通ったのに)
2.なら松山は突破かシュートだ。
3.しかしヤツの突破はお見通しだ。(止めたこと無いのに)
4.つまりやつはシュートで来る!
石田君は「シュートはうたさん!!」と松山君に突っ込みます。
しかし松山君はあっさりパスします。石田君、全然読めていません。
ただ残念ながら、松山君からパスをもらった小田君はシュートを外してしまいます。
結局前半戦を1-0で折り返しますが、どう見ても運だけです。
その証拠に前半でもう一度石田君が元気よく上げたセンタリングは
ちょっとマークされただけで点数には結びつきませんでした。
後半に入り、ここで初めて南宇和中の監督が出てきます。
正直、このおっさん誰だ?と思いましたよ。
この程度で最強では、四国に優勝旗を持って帰るのは至難の業です。
後半に入り気温が上昇し、北海道代表のふらのはますます動きが鈍ります。
それでも松山君にボールが渡ります。要するに、南宇和は全然ダメです。
今まで再三松山君に当たっていた石田君も、松山君にボールが渡ったにもかかわらず
「パスを読め!!カットするんだ」
と、指示をするだけで、自分からは行こうとしません。
自分が松山君に付いても何も出来ないと認めたのか、暑さでまいってしまったのか。
しかし石田君の指示も虚しく、ふらのが普段あまりやらないロングパスを多用すると全く対応できていません。
要するに南宇和のパスカットは全く機能していません。
そしてあっさり松山君がセンタリングを上げますが、再び小田君のシュートミス。
南宇和は小田君にワイロでも渡していたのでしょうか?
そして南宇和のカウンターが始まります。松山君が居ないうちに攻め込むつもりです。
やはり松山君と一騎討ちをする気はありません。
石田君がボールを持ち攻めあがりますが、先制点を入れた武井君には流石にマークが付いています。
そこで石田君は自分の力量もわきまえずにロングシュートを放ちます。
ドシュッと豪快な音を立てて放たれるシュート。
ついに石田君の一世一代の見せ場です。
このシュートが決まり2-0になれば、南宇和の勝利はほぼ確実のものとなります。
石田君ビックリしすぎw
しかしバチィッとこれまた豪快な音を立ててあっさり止められます。
せめてパンチング位させろよ・・・
ここに来て業を煮やした松山君。
「こんなもたついた試合はここまでだ!!こんなやつらにふらのが負けてたまるか!!」
南宇和はここまで善戦しても松山君に「こんなやつら」呼ばわりです。
残念ながらリードしていても全く眼中に入ってないようです。
そして松山君を筆頭にふらのの全員攻撃が始まります。
石田君は「今までどおりパスを読んでいればふらのに点を取られることは無いんだ!!」
と叫んでチームメイトを鼓舞しますが、今までもパスは通りまくってたんですが。
全員攻撃と言いつつも、松山君が一人でドリブル突破しロングシュートを放つと
南宇和イレブンは何も出来ないカカシ状態であっさり同点に追いつかれます。
石田君が余計な事を言ってパスだけを警戒していた所為です。
同点に追いつき波に乗るふらの。
石田君はここでも「ほかのやつらはパスだけだ。パスコースを読め!!」と助言しますが、
あっさりドリブル突破され、裏をかかれます。
石田君が南宇和の足を引っ張りまくりです。
後半終了間際、ゴール前でボールを受け取る松山君。
「2点目はゆるさん!!」と石田君がまたもや松山君をマークします。
ここで遂に石田君の念願の一騎討ちが実現します。
石田君は「このおれが抜けるか!!」と松山君に突っ込みますが、あっさり抜かれます。
南宇和は「石田が抜かれた!石田がボールテクニックで負けた!!」と2度も石田君の名前を出して驚いていますが
今までの展開を見ていても相手の力量が分かっていません。
”敵を知り己を知らば百戦危うからず”と言いますが、
南宇和イレブンは敵も己もわかっていなかったようです。
石田君を抜いた松山君はそのまま撃っても入るであろうシュートを撃たずに、
この試合で二回もシュートミスしている小田君にパスします。
ここで小田君の自信を回復させておかないと、次の南葛戦に響くと考えたのでしょう。
松山君は既に南宇和の事はもう見ていません。
さて、これで石田君の最後の大会は終わったのですが、実はこの石田君、
チームメイトの武井君と共に大会の優秀選手の一人に選ばれます。
更に全日本の合宿にも呼ばれる躍進ぶり。
そう、石田君の伝説はまだ終わってなかったのです。
しかし石田君は遠征メンバーには選ばれませんでしたが。
佐野や井沢ですら選ばれるメンバーに入れないと言う体たらく。
そしてライバル(と勝手に思っている)松山君にさわやかに声をかけます。
こうして『キャプテン翼』における彼の出番は幕を閉じました。
結局彼は主人公と戦う事すら出来ず、主人公に負ける相手に負ける、と言うかませ犬の立場で出番を終えました。
青銅聖闘士で言えばライオネット蛮くらいの位置づけかと。
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